社会臨床雑誌第14巻第2号

(2007-02-11発行)

はじめに(日本社会臨床学会編集委員会)(1)

声明:教育基本法の「改正」に抗議する(日本社会臨床学会運営委員会)(2)

〈日本社会臨床学会第14回総会報告〉

シンポジウムI いま、沖縄の子どもたちは… 〜子どもの置かれている状況とその課題〜(石川キヨ子・宮城秀樹・石川真一郎・砂川恵正・坂本清治・浅野誠)(3)

シンポジウムII 進行する「福祉」の改編を問う 〜社会福祉基礎構造改革の検証〜(伊藤周平・島村聡・次田健作)(31)

記念講演 「臨床心理学」にからみ、あらがって40年、そして、いま…(篠原睦治)(42)

日本社会臨床学会第VII期運営委員会中間総括・2006年度会計報告(57)

第14回総会声明:再度、教育基本法の「改正」に反対する(62)

学会運営委員会声明:国会提出中の臓器移植法「改正」案に反対し、尊厳死の法制化の動きを警戒する(63)
第14回総会 in 沖縄に参加して原内理恵(66)

〈映画や本で考える〉

『脱アイデンティティ』で考える(矢野泉)(74)

科学論争研究における科学者観察の醍醐味 〜『社会生物学論争史』を読んで〜(堂前雅史)(76)

高木俊介編『ひきこもり』を読みながら(阿木幸男)(79)

〈ここの場所から〉

まか不思議な世界(その3) 〜医療がお金ではかられることは差別的人間疎外でしかない〜(赤松晶子)(82)

日本社会臨床学会第15回総会のご案内(表紙裏)

編集後記140

はじめに
日本社会臨床学会編集委員会
穴があったら入りたい気持ですが、14巻2号の発行が遅れに遅れてしまいました。何人かの方から、まだ届いていないがと、お問い合わせを届いて恐縮しています。弁明は省略させていただきますが、まずはお詫び申しあげたい。第15回総会は2007年5月26日・27日と行われますが、それまでに、14巻3号は3月、15巻1号は4月にはお届けする予定です。結果的に月刊誌並みに届くことになりますが、これに飽きずに、どうぞ、ご愛読くださいますように、まずは、心からお願い申し上げます。
さて、本号では、昨年の5月20日・21日、沖縄大学で開催された第14回総会の全記録を、原内理恵さんの「総会に参加して」のリポートとともに、掲載しました。とはいえ、シンポジウムⅡの討論部分については録音状態が極度に悪かったため、当該部分の記録を断念せざるを得なくなりました。当該シンポ司会の三輪寿二が、お詫びしつつ、発題部分を受けた、紙上討論を呼びかけていますが、編集委員会は、「第14回総会記録を読んで」のご意見、ご感想をお寄せくださることを願っています。お読みいただいたたびごとに、随時でよろしいのですが、できれば、15巻1号に、その数編でも載せられればと思っています。もし、そのようにご協力くださるようであれば、急かすことで心苦しいのですが、長短問いませんので、2月末日までにお届けください。
第14回総会に前後して、学会運営委員会は、尊厳死法の法制化の動きに警戒しながら、臓器移植法「改正」に反対する声明を、また、当該総会は、教育基本法「改正」に反対する声明を決議しました。そして、今年に入って、学会運営委員会は、「改正」教育基本法の成立に伴う抗議声明を発表しました(いずれも、本号に収録)。第15回総会は、このような社会的・政治的状況も凝視しながら、今日、多面的、多角的に進行している「生命操作」と「教育とグローバリズム」の諸問題を、参加者の皆さんと一緒に考えることになっています。
このたび、〈映画や本で考える〉欄では、『脱アイデンティティ』、『社会生物学論争史』、『ひきこもり』のそれぞれを、矢野泉さん、堂前雅史さん、阿木幸男さんに読んでいただきました。裏話的なことですが、実は、これらの本は、編者たち自らも、しっかり読み込んでみたい、読者にも読んでほしいと願っていたものです。お三人のご協力に感謝します。堂前さんには、シンポジウムⅠの発題を引き受けていただきましたが、これが発題者紹介の一端にもなればと考えました。読者におかれては、ご自分の著書、勧めたい本の推薦をしていただければ幸いですが、その際、それを読んでくださる書き手の相談をさせていただくかもしれません。また、どなたか、映画やDVDなどで考えていただけないでしょうか。編集担当者が「活字人間」なので、つい本に傾きがちです。応援してくださるとありがたい。
〈ここの場所から〉の赤松晶子さんのエッセイは、三回目を迎えました。長年の精神病院勤務のなかでの幾つもの体験と思索が、過去から現在に及んで味わい深く書き綴られています。ロングランの連載エッセイになることを願っています。〈ここの場所〉は、本誌のイメージ上か〈臨床現場〉と思われがちですが、これだと、書き手は臨床家、実践家に限られてしまいます。この場所は〈私たちの暮らしの場〉であると広く捉えていただけないでしょうか。というと、職場、臨床・研究の場はどうかなのですが、ここもまた〈暮らしの場〉であると思います。
今回の英文目次の校閲は、ロバート・リケットさん(和光大学)にお願いしました。ここでお礼を申し上げたい。ところで、本誌は、各著者のための抜き刷りは、特にご要望のない限り作っていません。当該論文、エッセイを含めて、一冊の雑誌として、お読みくださればとの願いを込めて、当該原稿の掲載誌を五部、贈呈してきました。ただ、実費で、抜き刷りを作ることができるようにしていますので、どうぞ、ご利用ください(裏表紙裏参照)。それでは、14巻3号で、来月にまたお会いしましょう。