社会臨床雑誌16巻2号

2009年02月15日発行

はじめに(日本社会臨床学会編集委員会)(1)

〈日本社会臨床学会第16 回総会報告〉
シンポジウムI 「健康不安」を捉えなおす〜食育・健康増進・禁煙から〜(2)
シンポジウムII 「福祉」の現在とゆくえ〜特に、国家・公共・共生をめぐって〜(34)
記念講演 今、共に生きるを考える〜街・仲間・活動の中から〜(根本俊雄・荒関繁信・荒関司津)(74)
日本社会臨床学会第VIII 期中間総括・会計報告(第VIII 期運営委員会)(81)

〈追悼 岡村達雄さん〉(山下恒男・齋藤寛・秋葉聰・篠原睦治)(86)

〈シリーズ「社会臨床の視界」を読む〉
第1巻『「教育改革」と労働のいま』(齋藤寛・野崎美夫・本間正吾)(103)
第2巻『精神科医療 治療・生活・社会』(大谷尚子・本間公朗)(113)
第3巻『「新優生学」時代の生老病死』(倉持武・大河内直之・最首悟)(119)
第4巻『心理主義化する社会』(中井孝章・横山浩司)(131)

〈論文〉
リゾーム研究の比較生成論—運動体と文献研究の狭間で—(山内裕史)(143)
“偶発” 的解体、“解体” 的連帯(下)(猪瀬浩平)(152)

〈映画や本で考える〉
守ることと開くこと〜野本三吉『海と島の思想』から考える〜(林延哉)(161)
シリーズ「社会臨床の視界」合評会のお知らせ(表紙裏)
日本社会臨床学会第17 回総会のお知らせ(表紙裏)
編集後記(171)

はじめに

日本社会臨床学会編集委員会

本学会の第16 回総会は、2008 年6 月14 日・15 日、大学セミナーハウス 八王子セミナーハウス(東京・八王子市)で開催した。毎巻第2 号では、総会報告をお届けすることになっている。すなわち、この報告が揃わないと、この号発行には至らないのである。今号も、そんな事情で遅れてしまった。それにしても、二つのシンポジウムと記念講演の記録はていねいになされたと自負している。テープ起こしに関わった皆さん、編集、校正に関わった皆さんのご努力に感謝したい。
2008 年7 月3 日、本学会員、岡村達雄さんが逝かれた。〈追悼 岡村達雄さん〉欄で、山下恒男さん、斎藤寛さん、秋葉聰さん、篠原睦治さんが、それぞれの思いを込めて、追悼しているが、岡村さんの本学会に対する真摯な思い入れと理論的・思想的貢献に、ここでも感謝の意を表したい。
読者の皆さんには、本学会編シリーズ「社会臨床の視界」全四巻をどのように読まれているであろうか。
本号では、第一巻『「教育改革」と労働のいま』を、斎藤寛さん、野崎美夫さん、本間正吾さんに、第二巻『精神科医療―治療・生活・社会』を、大谷尚子さん、本間公朗さんに、第三巻『「新優生学」時代の生老病死』を、倉持武さん、大河内直之さん、最首悟さんに、第四巻『心理主義化する社会』を、中井孝章さん、横山浩司さんに読んでいただいた。いずれの原稿も、精読しながら思索を重ねて、新鮮かつ示唆的な幾つもの問いを発してくださっていると感謝を禁じえない。と同時に、本シリーズを世に問うこと
が出来て良かったのだという感慨を与えて下さった。なお、表紙裏でも紹介しているが、本シリーズ(特に、第一巻と第二巻)の合評会を企画している。お越しをお待ちしたい。
本誌に初めて掲載する山内裕史さんは、「リゾーム研究の比較生成論―運動体と文献研究の狭間で―」と題して、社会運動と文献研究を往復しながら、“ 統合” と“ 差異化” という緊張的・矛盾的問題を論じている。猪瀬浩平さんの 「“ 偶発” 的解体、“ 偶発” 的連帯(下)―1988 埼玉県庁知事室占拠 共に生きるという怨念、共に生きるというマツリゴト―」は、三回にわたる連載の最終回である。「障害」をもった兄たちと、彼らとともに生きようとする両親たちの高校入学運動を追体験して、「ともに生きる」ことを思索してきた。編者は、山内さんと猪瀬さんの論文を読みながら、先を生きる者たちの学問と運動をどう捉え直していくかを探っていく若々しい姿勢と方法に戸惑いと感動を覚えた。
〈映画や本で考える〉欄では、林延哉さんに、野本三吉さん(加藤彰彦さんのペンネーム)の『海と島の思想』(現代書館)を読んでもらった。当該書は大部な本だが、それに取り組んだ林さんの思索も豊饒である。楽しんでいただきたい。
なお、「視覚障害」を持っている皆さんのために、本誌と『社会臨床ニュース』の電子化情報をお届けしています。必要な方は、学会事務局にお申し出下さい。(2008/11/24)